平和への願い 「四国遍路への誘いin パリ」報告書

四国夢中人代表 尾崎美恵

 四国八十八カ所霊場は数多くの巡礼者と地域の住民がもてなしたお接待の文化によっては共に守られてきました。私たちはこの文化を人種、国籍、宗教を越えて、欧州を含めた多くの人たちと共有したいと願い2月21日にパリ日本文化会館で四国遍路の講演会をいたしました。
愛媛大学(1995年~1998年)に留学して四国遍路を研究されたナタリー・クアメ氏の研究報告、遍路のDVD(仏語版)上映、並びに2人のフランス人歩き遍路体験者の発表、更に、弘法大師が中国から持ち帰ったとされるうどんのワークショップも実施いたしました。遍路講演はインターネットによる募集に対して、予想の約3倍の310人が参加、おうどんの講習会(応募人数64名)は3日で完売し、パリ日本文化会館の四国紹介イベントとして大成功を収めることが出来ました。

遍路講演会

  会 場:パリ日本文化会館 101 bis, quai Branly | 75015 Paris | France
  日 時:2015年2月21日 15:00~18:00
  場 所:大ホール 参加人数310人
主催者挨拶:パリ日本文化会館副館長 嶋根智章氏
四国夢中人 代表 尾崎美恵氏


 遍路講演:ナタリー・クアメ氏 「江戸時代の四国巡礼:伝統的地方文化の発見」
(1999年度渋沢・クローデル賞受賞者・フランス国立パリディドロ大学教授)


  上 映:「あづまやさん」フランス語字幕 16:00~16:50
遍路宿ドキュメンタリー(国立民族学博物館名誉教授大森康宏監修)


  体験談 :レオ・ガントレ氏 2006年四国歩き遍路体験 17:00~17:30
(フランス20カ所で遍路講演実施 2008年「四国知恵の88ヶ寺」出版)
マリー・エデス・ラバル氏2013年四国歩き遍路体験17:30~18:00
(四国遍路体験記)執筆中 夏仏語版出版予定

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パリ日本文化会館

会館パンフレット1月~3月号 2015年

会館パンフレット1月~3月号 2015年

主催 パリ日本文化会館 四国夢中人
名義 在仏日本大使館 観光庁 四国運輸局 四国ツーリズム創造機構 香川県 香川県観 光協会
後援 香川経済同友会 四国八十八ヶ所霊場会 四国新聞社 朝日新聞高松総局
協賛 ㈱ウエストフードプランニング フランス国立パリディドロ大学  国立民族学博物館 総本山善通寺 ㈱百十四銀行 百十四リース㈱ ㈱合田工務店 丸善工業㈱
遍路講演会

(レプリカ)一字一仏法華経序品 国宝   David Morton氏 A journy of the soul
(レプリカ)善通寺版 慈雲尊者種子曼荼羅 Shikoku Japan 88 Route Guide (武揚堂)
(レプリカ)稚児大使御尊像        納経帳  藁草履  数珠 鈴 蝋燭

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パンフレット

四国運輸局 A pilgrimage trail to 88 temples in Shikoku, Japan」
インターネット紹介サイト200部(英語版)
四国ツーリズム創造機構 Shikoku Japon  四国遍路ガイド 300部 (仏語版)
四国霊場開創1200年ノボリ    1本
お遍路タオル          70枚
Shikoku            300部(英語版)
香川県観光協会 「瀬戸の美」 DVD 放映(仏語版)
Yokoso Japan Bienvenue en KAGAWA Japon (仏語版)
四国八十八ヶ所霊場会 フランス人へのメッセージ (仏語版)

 

讃岐うどんワークショップ

講師:小西啓介氏 助手大井啓一氏 協力 ㈱ウエストフードプランニング
日時:平成27年2月21日(土)12時半~15時親子教室 32人
16時~18時半大人教室 32人 (合計64人)
場所:パリ日本文化会館6階レセプションホール/厨房
スタッフ:通訳1人 ボランテアスタッフ3人 会館スタッフ3名

皆様から頂いたコメント

在仏日本大使館公使 小笠原一郎氏
パリ日本文化会館で1月21日に開催された遍路講演と讃岐うどんの講習会は、いずれも大盛況で、講演は当初予定されていた小ホールから大ホールに会場を移したにもかかわらず、満員御礼で入れない人が会館に溢れていました。この成功は、何よりも尾崎美恵さんが主催される四国夢中人の情熱と長年培われた人脈の賜と考えます。「遍路」というテーマの選択も、ヨーロッパの「巡礼」とイメージが重なり、実はフランス人も関心を抱き易いものだったことも集客に寄与したものと考えます。

パリ日本文化会館副館長 嶋根智章氏
日本文化を総合的に紹介するパリ日本文化会館では、従来より日本の地方文化の紹介にも注力してきたが、四国を、その歴史や文化、それに食文化等も加えて、様々な角度から総合的に紹介する試みは初めてのことであった。当館の来館者のほとんどはフランス人であり、その日本文化への知識関心は驚くばかりだが、今回の遍路講演会にも想定を大幅に上回る参加申し込みがあり、通常講演会を行う小ホールから大ホールへと会場変更を余儀なくされたことは、嬉しい悲鳴であった。満席の会場でも熱心に話を聞く聴衆の姿は印象的で、伝統と現代を同時に見せる今回の催しは、当館の今後の事業モデルともなったといえよう。本事業の実現に尽力された関係者の皆様に深く感謝する次第である。

在仏日本人会会長 浦田良一氏 (パリ国際大学都市日本館館長代行)
日本文化会館の多彩な催しには数多く出かけていて、フランス人の日本の古典から現代のあらゆる文化に興味深く熱心に鑑賞する姿勢にはいつも感心しているのだが、今回のお遍路さんの企画への参加者の数には全く驚かされた。日本人が5~6%しかいなくて大ホールが満員と言うのは、私のこれまでの経験ではなかったことである。
パリの日本人には興味が薄かったとも言えるのか。こちらのコンポステルの巡礼との比較がフランス人の興味をかきたてのか。すくなくとも似通った風習があることを理解してくれるのは、日仏の相互理解を深めることになりとても嬉しいことである。日本を紹介する切り口がいろんなところにあるのだとの思いが強くなった催しだった。

クレア(一般財団法人自治体国際化協会)パリ事務所長 荒井陽一氏
こうした行事には日本人の参加が多いものですが、今回の四国遍路の講演会は、大ホールの会場は当地の方々で一杯でした。サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路があり、巡礼そのものに対する関心の高さが背景にあるのかもしれません。また、今回の講演会の構成も、学術的な背景の説明に始まり、雰囲気の伝わるVTR、そして、「お遍路」を体験したフランス人の体験談という形で、当地の方々にとって伝わりやすい構成だったことも良かったのではないでしょうか。 引き続きのご活躍を祈念しております

ツール市国際交流室長  マリ―・ベルナール・アミロー・デス氏 (高松の姉妹都市)
パリ日本文化会館での遍路講演の大成功をお祝いいたします。会場には多くの知り合いがいましたが、そのうちの2人はもう既に歩き遍路体験している方、もう1人はこれから歩き遍路をする方でした。私も高松市とツール市の姉妹都市のお陰で四国の素晴らしい自然に触れ、お寺も訪問する機会を持つことができました。この講演を通して私も是非四国遍路の旅をしてみたいと強く感じました。四国夢中人の企画がこれからも一層フランスと四国の架け橋になることを願っています。遍路講演の御招待、誠に有難うございました。

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